親知らず
皆様こんにちは。
広島市中区宝町にあります のぶもと歯科
副院長 延本全彦です。
先週はお休みしてしまいましたm(_ _)m
今日は皆様からよく聞かれる親知らずのお話しです
ところで親知らずの語源ご存知ですか?
だいたい18〜25歳前後に萌えてくる方が多いのですが、それ故
親が歯を磨く乳児の歯の生え始めとは違い、親がこの歯の生え始めを知ることはないため、親知らずという名が付いたとか昔の人は平均寿命が短く歯が萌えてくる頃には両親と死別している為とも諸説あります。
また日本や中国では「智歯」(ちし)とも言います。英語でもwisdom(知恵) tooth(歯)と呼ばれている様で、これは知恵がつく頃に萌えてくるという意味だそうです。
ちなみに日本の歯医者さんは「8番」と呼んでます。前から数えて8番目だからです。
皆様が気になるのは「親知らずって抜いた方がいいの?(本当は抜きたくないな〜)」
だと思います。
なので痛くなるまではとりあえずこのまま!
なんて方も多いのではないでしょうか?
私見ですがお答えしますと
1、抜いた方が良い親知らず
2、早めに抜いておいた方が良い方
3、すぐに抜歯してはいけない方
4、そのままでも良い方
がいらっしゃいます。
- 抜いた方がよい親知らず
・咬み合う歯がなくて伸びてきている・・・顎の動きを邪魔することがあります。
・咬み合っていない親知らずのせいで咬んでいる隣の歯が虫歯になっている
・斜めもしくは横に萌えてきている
・周りの歯茎が度々腫れる
まとめますと親知らずが奥にありすぎて十分に磨き切れない方がほとんどです。
また真っ直ぐに萌えてこないことも多いので上記の様なトラブルが起きることが多いのです。
使えない、使っていない歯のせいで健康を害するのは患者さん自身の利益に反しますので抜歯をお勧めすることが多いです。
- 早めに抜いておいた方が良い方
上記の1の条件に加えて
・妊娠する可能性のある方
痛みを感じさせる血液中の物質が陣痛を引き起こす物質と同じ為、ひどい痛み炎症が起きると体が陣痛と勘違いするため早産の可能性があります。また安定期に入れば抜歯も可能で依頼されることもありますが(産婦人科では母体の健康・安全を優先する為)レントゲン、麻酔、薬の内服を進んでされる方はいないと思います。
・今後入院・手術の可能性がある方
その時の体の状況によっては既に抜歯が困難・不可能な状況もあります。
全身の健康管理を十分にする為にも親知らずなど必要な抜歯は早めにしておくことで、ご飯をしっかり食べることで栄養状態が改善し、菌血症、肺炎のリスクを下げることもできます。
・骨粗鬆症のお薬をお勧めされた方
内科や整形外科などで骨密度が低下傾向にある方、乳腺科などでホルモン療法を受けられる方は骨折防止のためにBP製剤というお薬を処方される場合があります。
このお薬を服用することで抜歯などの外科処置後に顎骨壊死という骨が腐って治りにくい症状が通常より続く場合があります。飲み薬では発生する可能性は低いとされていますが、とはいえ顎骨壊死になると辛い症状が続くことに変わりはありません。
可能であればBP製剤服用前に抜歯を含めた外科処置は終わらせておいた方がよいです。
- すぐに抜歯してはいけない方
親知らずに限りませんが、
・急性炎症(腫れた、痛い、熱がある)のある時は消炎後に処置をするのが原則です。
痛いと抜けば解放されると思われているかもいますが、却って痛みや腫れはひどくなる場合があります。痛い傷をほじくることを想像してください。(>人<;)
・現在かかっている病気や飲まれているお薬の状況によってすぐには抜歯ができない方もいらっしゃいます。その場合は対診といってかかりつけの先生と相談してから処置することで安全・安心な治療ができます。
・上顎洞(上顎にある頬骨の奥にある鼻とつながっている空洞)や下歯槽管(下顎を通る大きな神経と血管)を親知らずの根が巻き込んでしまっている場合が少なからずあります。
この場合最悪の事態を想定して総合病院にある歯科口腔外科をご紹介させていただくことがあります。レントゲンで疑わしい場合は当院にあるCT機で撮影して判断いたします。
- そのままで良い方
あなたはラッキーです!顎の骨もしっかり成長していて、親知らずも含めて真っ直ぐ萌えて咬み合っている!虫歯にもなっていない!歯石もついていない!
素晴らしいです!羨ましいです!そのままキープできる様メンテナンスしましょう!
時折いらっしゃいます。この様な方
ホント羨ましい・・・(私は既に4本全て抜歯済みです・・・この時のお話はまたいずれ)
他にもお伝えしたいことはありますが
参考になりましたでしょうか?
専門的なこともありますが
いきなり歯を抜くことはありませんので
まずは相談やチェックだけにいらしていただいても大丈夫ですよ(^ ^)
では